
パレット君
……うう、気持ち悪い。先生、この教室、ちょっと照明が激しすぎない?まるでディスコか、壊れたストロボライトの下にいるみたいだ。

先生
え? 教室の電気のこと?普通の蛍光灯だよ。チカチカ切れかけているわけでもないし、ずっと一定の明るさだと思うけど……。

パレット君
先生の目には「一定」に見えているんだね。僕の目には、この蛍光灯が「高速で明滅している」のがハッキリ見えるんだ。1秒間に100回くらい、部屋全体が点いたり消えたりを繰り返している。その点滅を見続けているせいで、船酔いみたいに気持ち悪くて、黒板の文字も踊って見えるんだよ。

先生
1秒間に100回の点滅……。確かに蛍光灯は交流電源だから高速で点滅しているけど、人間の目には残像で繋がって見えるはずだよね。パレット君の目は、その「残像処理」をせずに、生のデータをそのまま捉えているのか!

パレット君
そう、僕の目は「高性能すぎるカメラ」なんだ。シャッタースピードが速すぎて、光のコマ送りを全部拾っちゃう。白い紙も光を反射して眩しいし、教室にいるだけで、太陽を直視しながら本を読んでいるくらい目が痛いんだよ。

先生
それは勉強どころじゃないね。「落ち着きがない」んじゃなくて、光の刺激で具合が悪くなっていたのか。帽子を被ったり、サングラスをしたりするのは、オシャレじゃなくて「遮光」のために必要なんだね。
■蛍光灯の点滅が見えてしまう日本の蛍光灯は、電源周波数(50Hz/60Hz)に合わせて1秒間に100回〜120回点滅しています。
多くの人の脳はこの点滅を自動的に補正して「ずっと光っている」と認識しますが、視覚過敏のある人の脳はこの補正がかからず、常に部屋がチカチカとストロボ発光しているように感じることがあります。
これを「フリッカー現象」への過敏性と呼びます。
■光の刺激による体調不良この微細な点滅や、白い壁・紙からの強い反射光は、眼精疲労だけでなく、頭痛、めまい、吐き気、イライラを引き起こします。
文字が揺れて見えたり、歪んで見えたりするため、読字障害(ディスレクシア)と関連している場合もあります。
■私たちにできること「暗いと目が悪くなるよ」とカーテンを開けがちですが、彼らにとっては逆効果な場合があります。