
リュウ
マスター、今度の彼女は最高だぜ!俺とは趣味も性格も育った環境も、全部が「正反対」なんだ!俺がロック好きなのに、彼女はクラシック。俺が大雑把なのに、彼女は几帳面。これぞまさに「磁石のS極とN極」! 正反対だからこそ惹かれ合う運命だろ?

マスター
ふむ。ロマンチックな映画の見過ぎですね。残念ながら統計学的には、**「正反対のカップル」の離婚率は極めて高い**傾向にあります。

リュウ
ええっ!? 嘘だろ?「自分にないものを持ってる人」の方が刺激的でいいじゃないか!

マスター
刺激的なのは最初だけです。生活を共にすれば、その「違い」はすべて「ストレス」に変わります。音楽の趣味が合わないドライブ、金銭感覚の違う家計管理、教育方針の対立……。社会心理学者のドン・バーンが提唱した**「類似性の法則」**によれば、人間は**「自分と似ている人」**を最も深く愛するようにできているのです。

リュウ
似たもの同士なんて、退屈じゃねぇか……。

マスター
結婚生活において、「退屈」とは「平和」の同義語です。脳は、自分の意見に同意してくれる相手を見て「私は正しい」と確認し、快感を覚えます。つまり、自分と似た相手を愛することは、究極の「自己愛」の肯定なのです。カクテルをお出ししましょう。『ジェミニ(双子座)』。鏡に映った自分と乾杯してください。
今回のテーマは「類似性の法則(Law of Similarity)」です。
「反対の者は惹かれ合う(Opposites attract)」という俗説が、いかに科学的根拠に乏しいかを解説します。
1. なぜ「似たもの同士」が最強なのか?
多くの調査(IQ、社会的地位、身体的特徴、価値観など)において、夫婦間の相関係数は「プラス」を示します。
つまり、人は無意識に自分と同じレベル、同じ種類の人間を選んでいます(同類婚)。
2. 「正反対の人」に惹かれる正体
ではなぜ、リュウ様のように「違う人」に惹かれる現象が起きるのか?
それは主に以下の2つのパターンです。
3. 唯一の例外「相補性」
唯一、「役割」に関しては違う方がうまくいく場合があります(支配的な人と、従順な人など)。
これを「相補性(そうほせい)」と呼びますが、これはあくまでシステムの役割分担の話。
価値観や性格の根っこの部分は、やはり一致していないと船は沈みます。
本日の教訓:「自分と違う世界の人」との恋は、ドラマチックですが消耗します。
「何も話さなくても通じ合える人」との恋は、地味ですが永続します。
結婚とは、生活という名の長い長い「共同作業」なのですから。