
タヌキ店長
いらっしゃい! ……あ、なんだカメさんか。え? 「100円の薬草」が欲しい?今忙しいんだよ! あっちに、一回で10万円も買い物をしてくれるクジャクの社長が来てるんだから!シッシッ! 100円の客は後回し!

フクロウ先生
……タヌキ君。君はいま、とんでもない大金をドブに捨てましたよ。そのカメさんが、どれほどの『LTV(顧客生涯価値)』を持っているか計算したことはありますか?

タヌキ店長
LTV? なにそれ。だって100円だよ? クジャク社長の10万円の方がすごいに決まってるじゃん!一発逆転ホームランだよ!

フクロウ先生
クジャク社長は「渡り鳥」です。今日買ったら、来年まで来ません。一方、カメさんはこの森に住んでいて、健康オタクです。彼はこれから100年間、毎日欠かさずその薬草を買い続ける予定だったのですよ。100円 × 365日 × 100年……計算できますか?

タヌキ店長
えーと、3万6千500円の……100倍!?さ、365万円!?

フクロウ先生
そうです。君は目先の10万円に目がくらんで、365万円をくれる超優良顧客を追い払ったのです。しかもカメ一族は口コミ力が強い。「あそこの店は感じが悪い」と広められたら、被害額は数千万円になるでしょうね。

タヌキ店長
ぎゃあああ!! 待ってぇぇぇ! カメ様ぁぁぁ!!僕が背中に乗せて家まで送りますからぁぁ! 肩揉みもしますからぁぁ!

フクロウ先生
後の祭りですね。一見さんの派手な売上よりも、地味でも長く付き合ってくれる常連さんこそが、店の経営を支えているということを肝に銘じなさい。
ある顧客が、取引開始から終了までの一生涯に、企業にどれだけの利益をもたらすかを算出した指標です。
1:5の法則(いちごのほうそく)
マーケティングには「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」という法則があります。
新規集客ばかりに目を向けて、既存のファン(LTVの高い顧客)を軽視するのは、経営効率において最悪の手です。穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、いつまでたっても利益が残りません。
5:25の法則
さらに「顧客離れを5%改善すれば、利益は25%以上改善する」という法則もあります。
LTVを高めるためには、「購入単価を上げる(アップセル)」「購入頻度を上げる」「継続期間を延ばす」の3つが鍵となります。特にサブスクリプション型ビジネスでは、このLTVが最重要指標(KPI)となります。