
リク
うーん……。これ、昔気に入って着てたジャケットなんだよなぁ。今はサイズが合わなくて着れないけど、メルカリで売るには惜しい気がするし……。先生、これ5,000円くらいの価値はあるよね?

カネコ先生
……リク君。君の部屋がなぜいつも散らかっているのか、その原因がよく分かる発言だね。

リク
え? 散らかってるのは関係ないじゃん!これ、買った時は高かったんだよ? まだ使えるし、手放すのがもったいなくて。

カネコ先生
では聞くが、もし今、君がそのジャケットを持っていなかったとして、古着屋でそのボロボロの服が5,000円で売られていたら買うかい?

リク
えっ? いや、買わないよ。だって袖も擦り切れてるし、デザインもちょっと古いし。せいぜい500円でも悩むかな。

カネコ先生
それが答えだ。客観的に見れば500円の価値もないゴミを、君は「自分のものだから」という理由だけで5,000円の価値があると思い込んでいる。これが「保有効果」という心理的なバイアスなのだよ。

リク
保有効果……。自分のものだと、価値が高く見えちゃうってこと?

カネコ先生
そうだ。人間は一度手にしたものを失うことに、手に入れる時の2倍以上の痛みを感じると言われている。だから「いつか使うかも」「思い出があるから」と理由をつけて、不用品を溜め込んでしまうんだ。

リク
うわぁ、まさにそれだ。部屋にあるガラクタ、全部そうやって溜まっていった気がする。

カネコ先生
物を溜め込むことは、家賃というコストをゴミのために払っているのと同じだ。さらに、この心理は投資でも危険だぞ。「値下がりした株」を「いつか戻るはず」と塩漬けにして、傷口を広げるのも同じ保有効果の仕業だからね。

リク
ひえ〜! 部屋だけじゃなくて、資産まで腐らせるところだった!先生、目が覚めたよ。「今この値段で買いたいか?」って自問しながら、断捨離してくる!

カネコ先生
その意気だ。過去の所有欲に縛られず、今の自分にとって本当に必要なものだけを残す。それが、身軽で豊かな人生を送るための秘訣なのだよ。
「保有効果(授かり効果)」とは、自分が所有しているものに対して、客観的な市場価値よりも高い価値を感じてしまい、手放すことに抵抗を感じる心理現象です。
1. なぜ部屋が片付かないのか1年以上着ていない服や、使っていない家電。「他人から見ればガラクタ」でも、所有者には「高かった過去」や「所有している事実」がバイアスとしてかかり、捨てる苦痛を感じさせます。
2. 投資における失敗株や投資信託が値下がりした際、「損をしたくない(失いたくない)」という保有効果が働き、合理的な判断(損切り)ができずにズルズルと持ち続け、結果として大損するケースが後を絶ちません。
3. 対策:ゼロベース思考手放すか迷った時は、魔法の質問を自分に投げかけてください。
「もし今、これを持っていなかったとして、財布からお金を出してこれを買い直すか?」答えがNOなら、それは今のあなたにとって不要なものです。