
タヌキ店長
おかしいなぁ。新しく始めた「森のクリーニング屋さん」、全然お客さんが来ないんだ。「正直な商売」をモットーにして、チラシにも正確な数字を書いたのに。みんなチラシを見た瞬間、不安そうな顔をして帰っちゃうんだよ。

フクロウ先生
ほう。どんな宣伝文句を書いたのですか?

タヌキ店長
自信を持ってこう書いたよ。「当店のシミ抜きは、失敗率わずか5%です!」って。すごいでしょ? 20回に19回は成功するんだから!

フクロウ先生
……それが客を遠ざけている原因です。「失敗率5%」と聞くと、お客様は「大事な服を20着預けたら、1着は確実にボロボロにされる」というリスクを想像してしまいます。「失敗」という言葉のインパクトが強すぎるのです。

タヌキ店長
ええっ? でも事実は事実だし……。どう書けばよかったの?

フクロウ先生
内容を変えずに、フレーム(枠組み)を変えるのです。「シミ抜き成功率 95%! 安心の仕上がり」と書き直しなさい。確率は全く同じですが、これならお客様は「ほぼ確実に綺麗になる」というポジティブな結果をイメージします。

タヌキ店長
なるほど!「失敗しない」ことより「成功する」ことを強調した方が、安心感があるんだね。よし、じゃあ僕の「遅刻率 20%」も、「重役出勤率 80%」って書き直そう!これなら「大物感」が出て、みんな尊敬してくれるはず!

フクロウ先生
……社会人なら「定時出社 100%」が当たり前です。だらしなさを言葉で飾っても、信用はされませんよ。
実質的な内容は同じでも、表現の枠組み(フレーム)を変えることで、受け手の印象や意思決定が大きく変わる心理現象です。
コップの水理論
半分入ったコップの水を見て、「あと半分しかない(欠乏フレーム)」と表現するか、「まだ半分もある(充足フレーム)」と表現するかによって、人の感情は変わります。
ビジネスにおいて、顧客にポジティブな行動を促したい場合は、ポジティブなフレームを使うのが鉄則です。
ポジティブ・フレームの活用例
嘘をつくのではなく、光の当て方を変えて「価値」を正しく伝える技術です。