
タヌキ店長
フクロウ先生、ちょっとこれを見てよ。僕が子供の頃から愛用している「穴あき麦わら帽子」なんだけど、フリマサイトで売ろうと思うんだ。開始価格は……強気に10万円!

フクロウ先生
……。ただの汚いゴミですね。処分料を払って引き取ってもらうレベルですよ。なぜそんな高値がつくと思ったのですか?

タヌキ店長
ええっ!? だってこれ、僕の思い出が詰まってるんだよ?初めて変身に成功した時の汗も染み込んでるし、歴史的価値があるじゃないか!

フクロウ先生
他人にとっては、君の汗などただの不衛生な汚れです。それが『保有効果』の恐ろしいところですね。人は、自分が所有しているものに対して、客観的な市場価値よりも遥かに高い価値を感じてしまうのです。

タヌキ店長
むむっ。じゃあ逆に聞くけど、先生はこの帽子、いくらなら買う?

フクロウ先生
新品でも100円、現状なら0円ですね。

タヌキ店長
ひどい! 見る目がないなぁ。じゃあ、この「店長のサイン入りブロマイド」ならどうだ!僕にとっては宝物だけど、特別に5万円で譲ってやるよ!

フクロウ先生
……君がそれを「手放したくない」と感じているのは、保有効果のせいです。しかし、私にとっては「手に入れる価値がない」ものなので、取引は成立しません。さっさとゴミ箱に捨てなさい。
行動経済学のリチャード・セイラーが提唱した概念で、「自分が所有しているものの価値を、所有していない場合よりも高く見積もる」心理傾向のことです。
📉 損失回避との関係
人は「何かを得る喜び」よりも「何かを失う痛み」の方を大きく感じます(プロスペクト理論)。
自分の持ち物を売る(手放す)という行為は、心理的に「損失」と感じられるため、その痛みを埋め合わせるために、相場より高い価格を要求してしまうのです。
🤝 ビジネスへの応用