
タヌキ店長
ふぅ、今日はもうクタクタだよ……。朝から閉店まで、一瞬も休まずに接客したんだ。これだけ汗水流して働いたんだから、今日の売上は過去最高に違いないぞ!

フクロウ先生
……お疲れ様です。しかし、レジの集計結果を見ましたが、今日の売上はわずか「500円」ですよ。一体、一日中誰の相手をしていたのですか?

タヌキ店長
ええっ!? 嘘だろ!?だって、ネズミ君が「10円のアメの袋が開けにくいから交換してくれ」って言うから在庫を全部ひっくり返して探したし、そのあと「お詫びに肩を揉め」って言うから30分揉んであげたし……。お客様の要望には全力で応えないとダメでしょ?

フクロウ先生
その間、お得意様のクマ社長がいらっしゃっていたのを知っていますか?彼は、冬眠前の備蓄として「高級ハチミツセット(10万円)」を買うつもりでレジに並んでいました。しかし、君がネズミ君の相手にかかりきりで、一向に対応しないので、怒って帰ってしまいましたよ。

タヌキ店長
な、なんだってー!? 10万円!?でもさ、困ってるお客様(ネズミ君)を放っておくなんてできないよ!みんな平等に「神様」じゃないか!

フクロウ先生
それが君の店が儲からない元凶です。ビジネスには『パレートの法則』という絶対的なルールがあります。「売上の8割は、たった2割の優良顧客(クマ社長)が生み出している」のです。君は、利益にならない8割の客(ネズミ君)に全精力を注ぎ込み、本当に大切にすべき2割のVIPを無視して失った。これは「平等」ではなく、ただの「経営判断のミス」です。

タヌキ店長
うわぁぁん! 確かにそうだ……。10円の売上のために、10万円をドブに捨ててたんだ……。「忙しい」ってことに酔って、一番大事な数字が見えてなかったよ。

フクロウ先生
気づけましたか。明日からは、全てのお客様にいい顔をするのはやめなさい。勇気を持って「付き合う客」を選び、リソースを集中させることが、クマ社長への誠意であり、店を存続させる唯一の道ですよ。
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した経験則で、「80:20の法則」とも呼ばれます。「結果の80%は、全体のうちの20%の要素によって生み出されている」という考え方です。
・ビジネスにおける80:20
この法則は、驚くほど多くの場面で当てはまります。
・「平等」が正解とは限らない
タヌキ店長のように「全てのお客様を平等に全力で」扱おうとすると、リソース(時間・労力)が分散してパンクします。
その結果、本来もっと手厚くもてなすべき優良顧客(クマ社長)へのサービスがおろそかになり、彼らが離れていってしまうのです。
「誰が自分にとっての上位20%なのか」を見極め、そこにエネルギーを集中させる(下位80%への対応は効率化する)ことが、強いビジネスを作る鉄則です。