
タヌキ店長
先生! 流行りの「タピオカ屋」を始めたポン!森の流行最先端に乗っかって、これで僕も億万長者だポン!

フクロウ先生
おや、タヌキ君。森の大通りを見渡してごらんなさい。すでにタピオカ屋が10軒も乱立していますよ?

タヌキ店長
そうなんだよ! だから今、大変なことになってるんだ。隣の店が「50円引き」セールを始めたから、対抗して僕は「100円引き」にしたポン!そしたら向かいの店が「半額」にしてきて……もう利益なんて出ないよ! 毎日赤字だポン!

フクロウ先生
それをビジネス用語で「レッドオーシャン(血の海)」と言います。みんなが群がっている人気市場で戦うと、最終的には価格競争になり、お互いに血を流して共倒れするのです。大資本を持たない個人店が、そこで勝つのは不可能です。

タヌキ店長
ひえぇ……! まさに血の海だポン!じゃあ、どうすればいいの? もっと美味しいタピオカを開発する?

フクロウ先生
いいえ。戦う場所を変えるのです。「ブルーオーシャン(競合のいない青い海)」を探しなさい。タヌキ君、タピオカ屋に来るお客さんたちを、よーく観察してみてください。何か気づきませんか?

タヌキ店長
えーっと……。みんな若いリスさんたちだね。……あ、みんな「お店の中が寒い」って震えてるポン。タピオカは氷が入ってるし、店内は冷房がガンガン効いてるから、体が冷え切ってるみたいだ。

フクロウ先生
その通り。彼女たちは「映え」のためにタピオカを買っていますが、本音では「温まりたい」とも思っている。ならば、タピオカ屋の隣で「アツアツのおでん」を売りなさい。

タヌキ店長
おでん!? オシャレなタピオカストリートでおでん!?そんなダサい店、一軒もないポン! 笑われるよ!

フクロウ先生
「一軒もない」ということは、ライバルがゼロということです。タピオカで冷えた体を温めたい人は、必ず君の店に来ます。「タピオカのゴミを捨ててくれたら、おでん1個サービス」とすれば、さらに感謝されますよ。

タヌキ店長
なるほど! ライバルと戦うんじゃなくて、ライバルが満たせていない「隙間」を埋めるんだね!誰もいない海なら、僕が独り占めできるんだ!早速、大根を煮込んでくるポン!
ビジネスの市場は2つの海に例えられます。
① レッドオーシャン(赤い海)
ライバルが多く、血で血を洗うような激しい競争がある既存市場。
ここでは「価格」か「スペック」の競争になり、体力のない個人は消耗して終わります。
② ブルーオーシャン(青い海)
ライバルが不在で、競争のない未開拓の市場。
独自の価値を提供することで、高単価でも売れ、利益を独占できます。
重要なのは、ブルーオーシャンは「誰もいない遠くの海」にあるのではなく、「レッドオーシャンのすぐ隣」にあるということです。
タヌキ店長のように、「競合他社が提供できていない不満(=寒さ)」を見つけることが、青い海への入り口になります。