
タヌキ店長
おかしいなぁ……。お客様のために、ジャムの品揃えを一気に増やしたんだよ。今までは「イチゴ」と「ブルーベリー」しかなかったけど、頑張って「ドリアン」「納豆」「雑草」含めて、全24種類にしたのに!

フクロウ先生
珍妙な味が混ざっているのは置いておいて。それで、売上は伸びたのですか?

タヌキ店長
それがさっぱり!みんな「わぁ、すごい種類!」って集まっては来るんだけど、棚の前でしばらく悩んで、結局何も買わずに帰っちゃうんだ。やる気がないのかな?

フクロウ先生
やる気がないのは、お客様ではなく「お客様の脳」です。選択肢が多すぎると、人は選ぶことに疲れてしまい、「選ばない(買わない)」という決定をしてしまうのです。これが『決定回避の法則』です。

タヌキ店長
ええっ!? 選べる方が親切じゃないの?

フクロウ先生
有名な「ジャムの実験」によると、24種類置いた場合よりも、6種類に絞った場合の方が、購入率は約7倍も高かったそうです。「どれがベストかわからない」というストレスが、購買意欲を消してしまうのですよ。

タヌキ店長
なるほど! 多ければいいってもんじゃないんだね。よし、じゃあ思い切って選択肢を1つにするぞ!今日からうちは「納豆ジャム専門店」だ! これなら迷わないだろ!

フクロウ先生
……迷いはしませんが、誰も寄り付きません。「選びやすさ」と「魅力」は別問題ですよ。
選択肢が多すぎると、選ぶための労力(認知コスト)が許容量を超え、決定を先送りしたり、選択自体を放棄してしまう心理現象です。
🧠 脳のオーバーフロー
シーナ・アイエンガー教授(コロンビア大学)の実験が有名です。スーパーの試食コーナーで、以下の比較を行いました。
A:24種類のジャムを用意 → 多くの人が集まったが、購入率はわずか3%。
B:6種類のジャムを用意 → 集客は減ったが、購入率は30%に達した。
📉 ビジネスへの教訓