
リュウ
マスター! 見てくれよこれ!「サマージャンボ 10億円」! バラで3万円分買ってきたぜ!

マスター
いらっしゃいませ。……ほう、夢を買われましたか。

リュウ
ああ、夢を買ったんだよ! 3万円なんて安いもんだ。もし当たれば人生逆転……仕事も辞めて南の島で暮らすんだ。

マスター
ふふ。リュウ様、厳しい現実をお伝えしても?その3万円を支払った瞬間、数学的にはあなたは**「約1万6500円」をドブに捨てた**ことになります。

リュウ
はあ!? 捨ててねぇよ! まだ抽選前だぞ!?当たるかもしれないだろ!

マスター
ええ、可能性はゼロではありません。しかし**「期待値」**で計算すれば、日本の宝くじの還元率は約45%。300円のクジの実質的価値は、140円程度しかないのです。

リュウ
そ、そんなに低いのかよ……。でも競馬とかパチンコよりは夢があるだろ?

マスター
いえ、競馬の還元率は約75%、パチンコは約85%と言われています。宝くじは、世界で最も割の悪いギャンブルの一つ。欧米では**「愚者の税金(Tax on fools)」**と揶揄されるほどです。

リュウ
ぐ……愚者の税金……。

マスター
「数学ができない者への罰金」とも言われますね。カクテルをお出ししましょう。『フールズ・ゴールド(愚者の黄金)』です。
今回のテーマは「期待値(Expected Value)」です。
「ある試行を行った時、平均してどれくらいのリターンが見込めるか」という数値です。
1. 期待値の計算式
計算は単純です。
(もらえる確率)×(もらえる金額)の合計です。
例えば、サイコロゲームで「1が出たら600円、他は0円」の場合。
(1/6 × 600円)+(5/6 × 0円)= 100円参加費が100円ならトントン。参加費が300円なら、やるだけ損です。
2. 宝くじの正体
日本の宝くじの期待値は、購入金額の約45%に設定されています。
これは、あなたが1万円払った瞬間、その価値が4,500円に暴落することを意味します。
残りの55%(5,500円)はどこへ消えたのか? 運営費と公共事業への寄付です。
つまり、宝くじは「ギャンブル」というより、「寄付つきの納税」に近いシステムなのです。
3. それでも買う理由
「期待値がマイナスだから買うな」というのは簡単ですが、人はなぜ買うのでしょうか?
それは「10億円」という桁外れの報酬に対する認知の歪みがあるからです。
確率は極小でも、当たった時のインパクトが大きすぎるため、脳がリスクを過小評価してしまうのです。
本日の教訓:宝くじを買うなとは言いません。娯楽として楽しむなら結構。
しかし、「投資」や「一発逆転の手段」として見ているなら、それはただ搾取されているだけです。