
リク
先生! 見てよこれ!ずっと欲しかったわけじゃないけど、2万円のスニーカーが半額セールで1万円だったんだ!これって1万円も「得」したってことだよね?

カネコ先生
ほう……。リク君。それは本当に1万円「得」をしたのか、それとも1万円「出費」をしたのか、どちらだと思う?

リク
え? 得でしょ?だって、本来なら2万円払わないといけないものが、1万円で済んだんだから。

カネコ先生
それがまさに「アンカリング効果」という心理的な罠だ。君は最初に見た「2万円」という数字が頭に碇(アンカー)のように刺さって、その後の判断基準が歪められているのだよ。

リク
判断が歪んでる……?どういうこと? 安いのは事実じゃん。

カネコ先生
冷静に考えてごらん。もしその靴に最初から「定価1万円」という値札がついていたら、君は興奮してそれを買ったかい?

リク
うーん……。最初から1万円かぁ。それならデザインも普通だし、わざわざ買わなかったかも。

カネコ先生
つまり、君は「靴そのものの価値」にお金を払ったのではなく、「2万円のものが半額になっている」という「お得感」にお金を払っただけなのだ。たとえ半額でも、自分にとって不要なものを買うなら、それは節約ではなくただの「浪費」だよ。

リク
うわぁ、図星だ……。「半額」って文字を見た瞬間、買わなきゃ損だと思っちゃったんだよね。

カネコ先生
商売の世界では、あえて高い定価を見せてから値下げすることで、割安感を演出するテクニックがよく使われる。だが、大切なのは「いくら安くなったか」ではなく、「その価格に見合う価値が自分にあるか」だ。値引きシールに踊らされず、モノの価値を自分の目で見極めることが大切だよ。

リク
ぐうの音も出ないよ。これからは「元値」じゃなくて、「今の値段」で欲しいかどうか考えるようにするよ。
「アンカリング効果」とは、最初に提示された数字や情報(アンカー)が基準となり、その後の判断に強い影響を与える心理効果のことです。
1. 二重価格の罠「通常価格
10,000円→ 5,000円!」と書かれていると、私たちは無意識に「1万円」を価値の基準(アンカー)にしてしまい、5,000円を「安い!」と感じてしまいます。しかし、もし最初から「5,000円」と書かれていたら、同じ商品でも「妥当な値段かな?」と冷静に見られるはずです。
2. 対策:アンカーを抜く買い物の際は、打ち消し線が引かれた「元値」や「割引率(◯%OFF)」を意識的に無視しましょう。
「割引が一切なかったとしても、今のこの値段でこれを買うか?」と自問することで、脳の錯覚をリセットし、本当に必要なものだけを選べるようになります。