
タヌキ店長
フクロウ先生! ごめん、ちょっと店番お願い!今から店を閉めて、隣町のスーパーに行ってくる!

フクロウ先生
藪から棒に何事ですか?今は書き入れ時ですよ。

タヌキ店長
さっきネズミ君が教えてくれたんだ。向こうのスーパーで「大根1本10円セール」をやってるんだって!普段は200円もするから、190円も得するチャンスなんだ! 急がないと!

フクロウ先生
……ちょっと待ちなさい。そこまで往復して並んで、帰ってくるのに何時間かかりますか?

タヌキ店長
うーん、行列がすごいらしいから、全部で3時間はかかるかな。でも、たった3時間で190円も浮くんだよ? すごくない?

フクロウ先生
全くすごくありません。君の店は、開けていれば1時間で平均3,000円の利益が出ますよね。店を3時間閉めるということは、本来得られるはずだった9,000円の利益を捨てるということです。つまり君は「9,000円をドブに捨てて、190円を拾いに行く」と言っているのです。

タヌキ店長
ええっ!?財布からお金が減るわけじゃないのに、そんなに損してるの?

フクロウ先生
それが『機会費用(オポチュニティ・コスト)』です。「ある選択をしたことで、失ってしまった利益」のことです。目先の190円(出費の節約)に目がくらんで、見えない9,000円(時間の価値)を失う……。これこそが貧乏暇なしの典型ですよ。

タヌキ店長
うわぁ……。言われてみれば、僕は時給63円(190円÷3時間)のバイトをしに行くようなものか。バカバカしい! 行くのはやめて店を開けるよ!

フクロウ先生
賢明な判断です。経営者にとって、時間こそが最も高いコストであることを忘れないように。
ある選択肢を選んだことによって、犠牲になってしまった(選ばなかった)選択肢から得られるはずだった利益のことです。「逸失利益」とも呼ばれます。
・時は金なり(Time is Money)
機会費用の考え方では、「時間」にも明確な値段がつきます。
例えば、時給2,000円の人が、1,000円安いテレビを買うためにネットで3時間検索し続けた場合。
得たもの:1,000円の節約
失ったもの:6,000円分の労働価値(2,000円×3時間)
結果として、5,000円の損失(機会費用)が発生していると考えます。
・ビジネスでの意思決定
「目に見える出費」だけでなく、「見えない損失」を意識することが、正しい経営判断の第一歩です。