
リク
ふぅ……。今月も残業続きでヘトヘトだよ。ねえ先生、俺こんなに頑張ってるのに、なんで生活が楽にならないのかな。ニュースだと「景気は緩やかに回復」とか言ってるけど、全然実感ないよ。

カネコ先生
毎日お疲れ様。リク君の頑張りは素晴らしいよ。だが残念ながら、資本主義経済には「労働だけで資産を増やすのは難しい」という、数学的な証明が存在するのだよ。

リク
数学的な証明……?なんか難しそうだけど、それって俺の努力が足りないってこと?

カネコ先生
違う違う。君の努力の問題ではない。フランスの経済学者トマ・ピケティが提唱した「r > g(アール大なりジー)」という不等式の話だ。リク君、「r」と「g」、それぞれ何のことか想像つくかい?

リク
えーっと、rは……ラーメン? gは……餃子?

カネコ先生
帰りにお腹が空いているのは分かったが、少し真面目に考えようか。「r」は資本収益率(Return)、つまり投資で得られる利益の伸び率。「g」は経済成長率(Growth)、つまり私たちが働くことで得られる賃金の伸び率だ。

リク
投資の利益と、給料の伸び率……。それがどうしたの? どっちも増えるならいいじゃん。

カネコ先生
歴史的に見て、常に「r(投資の利益)」の方が「g(給料の伸び)」よりも成長スピードが速いのだよ。具体的に言うと、投資で得られる利益は年平均で約2%〜5%成長するのに対し、給料の伸びはせいぜい1〜2%程度だ。

リク
ええっ!? 倍以上違うってこと?それじゃあ、一生懸命働いている人より、株とか持ってる人の方がどんどん豊かになっちゃうじゃん!

カネコ先生
その通り。これがお金の「増え方」のルールの違いだ。だからこそ、ただ働くだけでなく、君自身も「r(資本)」を持つ側にならなければいけない。労働を否定するわけではないよ。労働で稼いだお金の一部を投資に回して、お金にも働いてもらう「二刀流」になる必要があるんだ。

リク
なるほど……。働くのが無駄なんじゃなくて、それ一本足打法だと不利ってことか。俺もそっち側に行きたい! でも、大金なんてないよ?

カネコ先生
安心していい。今は少額からでも「r」の力を借りる制度が整っている。まずはこの残酷な、しかし知っていれば利用できるルールをしっかり頭に刻んでおこう。
トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』で示されたこの不等式は、私たちに重要な事実を突きつけました。
資産運用による利益(r) > 労働による賃金上昇(g)
これは、「過去200年以上のデータを分析した結果、お金がお金を増やすスピードは、人が働いて給料を増やすスピードよりも常に速かった」という事実です。
決して労働が無意味なわけではありませんが、労働収入(g)だけに頼っていては、資産を持つ人々との差は開く一方になります。
▼ 私たちが取るべき対策このルールに対抗する唯一の手段は、「私たち自身も投資家(資本家)になること」です。
「投資は怖い」「金持ちの遊びだ」と遠ざけず、毎月の給料から少しずつでも投資信託などを購入し、自分の資産を「r」の波に乗せることが、現代を生き抜くための必須条件と言えるでしょう。