
リク
くそーっ! あとちょっと! あとちょっとなのに!次こそはいけるはず……!

カネコ先生
……何やら熱くなっているようだが、そのクレーンゲームに一体いくら使ったんだい?

リク
うっ、聞かないでよ。もう3,000円も使っちゃったんだ。でもさ、ここで諦めたら、この3,000円が全部ムダになっちゃうでしょ?だから、景品を取るまでは絶対に引けないんだよ!

カネコ先生
リク君、落ち着いて聞きなさい。その考え方こそが、君を破滅させる「サンクコスト効果(コンコルド効果)」という心理的罠なのだよ。

リク
サンクコスト? コンコルド?飛行機の名前だっけ?

カネコ先生
そう。かつて開発された超音速旅客機コンコルドは、開発途中から「採算が取れない」と分かっていた。しかし、「これまでに巨額の投資をしてしまったから」という理由で開発を止められず、結果としてさらに大きな赤字を出してしまったんだ。

リク
うわぁ……今の俺と一緒じゃん。「3,000円も使ったんだから、元を取らなきゃ」って思ってる。

カネコ先生
残念だが、過去に使った3,000円は、君が今ここで辞めようが続けようが、二度と戻ってこない「埋没した費用(サンクコスト)」だ。考えるべきなのは「過去の損失」ではなく、「これから使うお金に価値があるか」だけなのだよ。

リク
これから使うお金の価値……?

カネコ先生
そうだ。もし今からさらに1,000円使って景品が取れたとしても、君は合計4,000円でそのぬいぐるいを買ったことになる。冷静に考えて、そのぬいぐるみに4,000円の価値はあるかい? 普通に買ったほうが安くないかい?

リク
……確かに。メルカリで見たら500円くらいで売ってそう。ううっ、悔しいけど、これ以上傷口を広げないために撤退するよ。

カネコ先生
賢明な判断だ。「損切り」をする勇気を持つこと。それが、投資でも人生でも、致命傷を避けるための極意なのだよ。
「サンクコスト効果(別名:コンコルド効果)」とは、すでに支払ってしまい回収不可能なコスト(お金・時間・労力)に気を取られ、合理的な判断ができなくなる心理状態のことです。
1. 日常にある罠・「つまらない映画だけど、チケット代を払ったから最後まで観よう」(時間の浪費)
・「お腹いっぱいだけど、バイキングだから無理して食べよう」(健康の損失)
・「あまり使わない有料会員だけど、年会費を払ったから解約しない」(維持費の損失)
2. 対策:「これからの未来」だけを見る判断に迷った時は、「もし、まだ1円も払っていない状態だとしても、今からそれにお金を払うか?」と自分に問いかけてみてください。
過去にいくら払ったかは関係ありません。「今、ここでやめること」が、将来の自分にとって一番の得(損失回避)になることも多いのです。