
リュウ
昨日の合コン、最悪だったよ……。俺はA子ちゃん狙いだったんだけど、イケメンの商社マンに持ってかれた。で、俺は残ってたC子ちゃんと話してたんだけど、C子ちゃんも本当はその商社マンが良かったみたいでさ……。なんか全員が「妥協」してる感じで、空気がお通夜みたいだったよ。

マスター
それは不幸なマッチングでしたね。全員が第一志望と結ばれるのは不可能ですが、数学的には**「全員が浮気をしない(現在のパートナーに満足し、駆け落ちが起きない)組み合わせ」**を作る手順が確立されています。

リュウ
駆け落ちが起きない? どういうことだ?

マスター
「俺は今の彼女よりA子がいい、そしてA子も今の彼氏より俺がいい」という相思相愛の不満ペアがいなければ、カップルは安定します。これを導き出すのが**「ゲール・シャープレイ・アルゴリズム(安定結婚問題)」**です。

リュウ
へぇ、そんな魔法みたいな方法があるのか。

マスター
ええ。ただし、この理論には一つだけ、非常に残酷な真実が含まれています。それは、**「選ぶ側(告白されるのを待つ側)は、常に一番損をする」**という定理です。

リュウ
え? 「選ぶ側」ってモテる立場で有利なんじゃないのか?

マスター
いいえ。数学は示しています。「自分から動いた者」だけが、運命の最良を手にするのだと。カクテルをお出ししましょう。『マッチメーカー(仲人)』。
今回のテーマは「安定結婚問題(Stable Marriage Problem)」です。
研修医の配属システムなどにも使われている、ノーベル賞級のアルゴリズムです。
1. ゲール・シャープレイ・アルゴリズムの手順
合コンで男性3人、女性3人がいるとします。
全員、相手に1位〜3位の順位をつけています。
女性は、複数の告白が来たら一番順位の高い人を「キープ」し、他は振ります。
女性は、「今のキープ相手」と「新しく来た男」を比べて、良い方をキープします(乗り換えOK)。
2. 魔法の結果と残酷な真実
この手順で決まったペアは、数学的に必ず「安定」します(お互いにこれ以上良い相手とは成立しない状態)。
しかし、重要なのはそこではありません。
3. 「受け身」は数学的に不利
多くの人は「告白されて選びたい」と思います。
しかし、待っているということは「第一希望の人にスルーされ、第二希望にもスルーされ、ようやく妥協して声をかけてきた人」の中から選ぶという作業です。
自分からアタックする人は、振られるリスクはありますが、常に「自分のベスト」を掴み取るチャンスを持っています。
本日の教訓:「いい人が来るのを待つ」という戦略は、数学的には「売れ残りを待つ」のと同じです。
傷つくことを恐れて受け身でいる限り、あなたは永遠に「誰かの妥協案」にしかなれません。